梳き櫛でシラミを取るにはコツがあります
シラミ専用梳き櫛を上手に使えば、スミスリンシャンプーなどの薬品を使わなくても完全にシラミを退治することができます。
ライスマイスター、ニットフリーコームの効果的な使い方
お風呂場で行うと後処理もカンタンです。梳き櫛は乾いた髪にも使うことができますが、濡らした髪の方がシラミを除去しやすくなります。以下で紹介するコンディショナーを使った方法ならクセ毛や太毛のロングの髪でも梳き櫛が効果的に使えます。
髪質:クセ毛・太い・多い・長い
ニットフリーコームは歯にシラミを絡めとるための溝が入っているので、からみやすい髪質の女の子には使いにくい場合があります。髪質が気になるお母さんはこちらの梳き櫛をチェックしてください。
1.しっかりと大人が洗髪します
きちんとシャンプーすることがシラミ対策の基本です。衛生的にしていても毎日洗髪してもシラミにはかかってしまうものですが、アタマジラミ感染者の9割が小さな子供であることの原因の一つとして十分に洗髪が行われていないことがあげられています。(頭髪がキレイかどうかではありません)
シラミ対策の洗髪方法
・指の腹をつかって頭皮をしっかりと揉みこみます。小さな子供の手では力強く泡立てて丁寧に流すことができません。シラミ駆除を駆除する間は必ず大人が洗髪を手伝うべきです。
シラミは水を浴び危険を感じると髪にしがみつき頭髪付近に隠れようとします。泡をたて頭皮付近についたシラミを意識して頭髪全体を洗い流しましょう。頭髪をしっかり揉みこんだ後にクシを通すと、普通のクシでもシラミが泡に乗って成虫と幼虫が落とされやすくなります。(※注意 卵は洗髪では落とすことができません。)
2.コンディショナーをつけたまま梳く
シラミを梳き櫛で取るのにとても効果的な方法です。シラミ駆除専用梳き櫛は非常に目の細かいクシですから、髪質によってはとても引っかかりやすいものです。これを解消するのがコンディショナーです。
小さな子供が長時間じっとしているのは大変です。髪が引っ張られて抜けて痛い、となると嫌がって作業が上手くすすまないこともあります。
■コンディショナーをつけて梳くことのメリット
・髪が滑り効率よく駆除できる
・髪を傷めにくくなる
・抜けない、痛くない
・成虫、幼虫、卵がよく取れる
■注意すること
・コンディショナーが付着した浴室はたいへん滑りやすくなります。くれぐれも転倒にご注意ください。また手やコームにコンディショナーが付着していると手元が狂いやすくコームを落下させる恐れもあります。十分に注意して大人の手でコーミングを行うべきです。
・お風呂の浴槽で駆除行うとシラミが再付着する恐れがあります。浴槽内におちたシラミは入浴に適した風呂温度では簡単には死なず再感染する場合も考えられます。
毛量の多く、クセ毛の方がニットフリーコームを使用して髪が傷んだというお話をよく目にしますが、コンディショナーをつけたまま梳けばほとんどの場合改善することができます。また秋冬など感想の季節に発生する静電気も防ぐことができるのでおすすめしています。髪の傷みに関しては賛否両論あるかと思いますので、より最適な方法があればそちらをお試しください。
次の作業の流れをお読みください。
梳き櫛による作業の流れ
・コンディショナーをたっぷりつけます。つけ終えたら梳き櫛ではなく「普通のクシ」で髪をストレートにとかしてください。しっかりとコーミングし、髪の絡みを丁寧にとることが大事です。ここをきちんとやっておくと除去の効率がグンとあがります。よくとかし終えたらシラミ用の梳き櫛へ持ち替えます。
・梳き櫛を使い髪の根本(頭皮付近)から毛先まで1ストロークずつ梳き通します。髪を小分けにしながら行うと作業が楽になりますが、基本的に髪全体を梳き切ることができればOKです。
・1回梳くごとに、梳き櫛の歯についてきた異物(シラミと卵)を小まめに取り除きます。使い終わった歯ブラシを使うと歯に挟まった卵も取り除きやすいです。お風呂場ならシャワーで直接洗い流してしてしまっても良いでしょう。
・頭髪全体を梳き終えたら終了です。コンディショナーをいつもの洗髪時のように洗い流してください。
・浴室で行っていたら、下に落ちたシラミを流します。歩き回って頭髪に戻ってくることはありませんが、気になる方は55度以上のシャワーで洗い流すとシラミは死んでしまいます。火傷にご注意ください。
その他、梳き櫛の注意点
シラミ専用梳き櫛は乾いた髪のままでも使えますが、髪を傷める製品もあるのでオススメできません。コンディショナーを使わない場合もあらかじめ髪を梳かし、霧吹きや寝癖直しウォーターなど水分で濡らすなどするとシラミが取りやすくなります。
梳き櫛を使うときは1ストロークで毛先まで梳ききりましょう。また、梳き櫛の面を決め、逆さにしないようにすると小さな幼虫などが再び髪に付着してしまうのを防げます。
ニットフリーコームを使う方は特に1ストロークを意識してください。ニットフリーコームには溝が彫り込まれているので、途中で絡まると梳き櫛を引き抜きにくいことがあります。
あらかじめよく梳いておくか、コンディショナーを使うのがベストですが、クセ毛の強い方は溝のないライスマイスターという製品を使うと楽になります。
掃除、洗濯、熱湯処理など
部屋や寝室、寝具に落ちたシラミが気になるという方が大勢いらっしゃると思います。頑張るほど再感染、再付着の心配がなくなりますが、大変な時間と手間もかかります。
じつは梳き櫛による駆除を選択した方はその作業も最低限のことで足ります。駆除剤では2日おきに計4回(10日間)の駆除が1クールとなり、間に2日空きの日ができてしまいます。スミスリンは卵を直接駆除することができないので、その間に新しい卵を産み付けられると対処できないことがあります。駆除剤による駆除で1クールを過ぎてしまうと、手間とともに結構なお金がかかってしまいますが、何度も使える梳き櫛はその心配もいりません。
梳き櫛による駆除は、卵も成虫も同時に取り除けます。駆除はシラミと卵を取り除いた時点で終了です。再度付着したシラミも、新しく産み付けられた卵も次回の作業時に取り除くので問題ありません。
お風呂場でシラミを退治される方なら再度付着したシラミは今度はお風呂の排水溝に流されることになります。「お帰りなさい、さようなら」という気楽な気分で構えていただいても大丈夫です。
いつも通りの洗濯にお掃除をしてください。お部屋に掃除機をかけましょう。最低限、家族間では直接頭に触れるものの共有を避けましょう。また感染者と頭と頭をくっつけないように注意しましょう。寝具が気になればシーツと枕カバーを換えてください。お洗濯は普通のお洗濯で十分です。
ネットを見渡して「こんなことで大丈夫なの?」と不安になる方がいるかもしれませんが、少なくとも私がこれまでお手伝いしてきたご家族の方で梳き櫛で最終的にシラミを駆除できなかったという方は一人もいません。大切なのは梳き櫛をしっかり使いこなすこと。ただ繰り返し梳くだけなので簡単です。
梳き櫛による駆除期間、回数
髪の量や環境により色々ですが、ほとんどの方が3日程度でシラミが見つからなくなったと言います。何度も繰り返し使える梳き櫛の良いところは、再びシラミが見つかってもすぐに再開できることです。
女の子と比べて髪の少ない男の子などは1日で全てのシラミをとってしまうこともそんなに難しいことではありません。手作業になりますので環境や毛量、髪質はコーミングの難かしさに関わります。
目標は最初の3日。家族全員が協力して一斉に駆除しなくてはいけません。感染している家族全員が処置を終え、シラミがいないか再発がないかの確認を行ってください。
シラミの成虫がいれば、すぐに卵を産み始めますからチェックは難しくありません。(新たな卵が発見されるような場合にはコーミングが足りていない、もしくは移し合い、再感染の恐れがあります。)たまに覗き込み梳き櫛をつかって梳いてみてください。
最初の処置から10日して再発が確認できなければ、ご家庭では駆除完了と考えて良いと思います。地域で流行が続いていることがあるのでしばらくはたまに頭髪を覗いてください。