人間に寄生するシラミにはアタマジラミ、コロモジラミ、ケジラミの3種類のみ。ペットや他の動物に寄生するシラミが人間に寄生することはありません。全てのシラミに共通するのは宿主から離れては生きられないことです。子供の頭髪につくアタマジラミも子供の頭から引き離すだけで駆除できる寄生虫です。
それぞれのシラミの特徴を見てみましょう。
アタマジラミ
アタアマジラミ:wikipedia
子供たちの頭髪で流行しているのはアタマジラミです。アタマジラミは頭髪に寄生します。昔の話だと思われがちですが、現代の日本でも各地で流行が続いています。若い親の世代ではシラミに対する意識が低下しているため発見が遅れて流行が広まります。シラミを発見したら早期に周囲で協力して駆除を開始しなければなりません。
コロモジラミ
コロモジラミ:wikipedia
コロモジラミは下着や肌着など衣類につくシラミです。通常の衛生状態を保っていれば現代の日本でコロモジラミに持続的に感染されることはありません。通常の衛生状態とは「衣服を着替える、下着を替える、洗濯する、入浴する」など普通の状態です。日本でも人が密集していて何らかの事情で身の回りの管理ができないところでは発生することがあります。コロモジラミは発疹チフス、回帰熱(シラミ媒介性回帰熱)、塹壕熱などの病原体を媒介します。
ケジラミ
ケジラミ:wikipedia
ケジラミは英語で Club louse(カニ シラミ)と言われるようにカニのような形状をしたシラミです。アタマジラミとコロモジラミは見た目がそっくりですが、ケジラミは形状から違うので見分けることができます。
性感染症で知られるケジラミですが、大人子供に関係なく人間の体毛に寄生します。感染部位が陰毛だけでないところにも注意が必要です。腋毛や胸毛をはじめ、眉毛やまつ毛にも感染した例があります。
駆除方法は基本的にはアタマジラミと一緒で駆除剤(スミスリンシャンプー)を利用するか直接取り去る方法になります。感染部位が違うため剃毛が手っ取り早いときもあります。また、珍しい例ですが、まつ毛など顔周辺に寄生することがあるので、顔周辺などデリケートな位置の場合には専門の医師に相談すると良いでしょう。
その他のシラミ
アタマジラミ(頭しらみ)、コロモジラミ、ケジラミ(毛じらみ)です。シラミのような寄生虫には特定の生き物を宿主とする宿主特異性、宿主選択性と呼ばれる性質があり、住みつく対象となる動物が決まっていますシラミは吸血性の寄生虫のうち宿主特異性のもっとも強い生物の一つです。
地球上には1000種を超えるシラミが生息していると言われますが、このうち人間に寄生するシラミは3種類だけです。
人間に寄生するシラミの種類とは?
アタマジラミとコロモジラミは体の形が似ていることから合わせてヒトジラミと呼ばれることがあります。アタマジラミとコロモジラミはルックスがとても似通っています。ですから外見で見分けるのは難しいものなのですが、基本的に両者は寄生する部位が全く異なりますので区別することができます。
アタマジラミは人間の頭髪に寄生しますが、コロモジラミは衣類に寄生します。コロモジラミの発生は衛生状態の悪さと関係があります。現代の日本ではほとんど見かけることはなく、通常の生活を行っていればコロモジラミに感染される心配はありません。
ケジラミはカラダの形からヒトジラミ(アタマジラミ、コロモジラミ)とは違うので見た目で見分けることができます。主に陰毛に寄生することが多いシラミで、性感染症としても知られています。大人だけのシラミと思われがちですが、性行為以外でも接触により感染が広まるため小さな子供にケジラミが寄生することもあります。ケジラミの感染部位は体中の体毛です。陰部以外でも感染例があるので注意が必要です。
他の動物につくシラミ
犬や猫、鳥などにもそれぞれ種に適応したシラミが存在しますが、それらが人間に寄生することはありません。また犬のシラミは犬に、鳥のシラミは鳥の間で広まります。ペットや家畜のシラミが人間につくのではないかと心配される方がいますが基本的にうつることはありません。
犬のシラミにはイヌジラミとイヌハジラミがいます。ハジラミというのは、吸血するシラミ以外の体毛や羽毛、フケや分泌物などをエサにするシラミです。犬猫をペットにされている方はたくさんおられると思いますが、日本では野良犬や野良猫が少ないことから比較的かかることは少ないと言われます。
その他、家畜に寄生するシラミとして、ブタジラミ、ウシジラミ、ウシホソジラミ、ニワトリハジラミなどが有名です。動物の健康を損ねたり、病原体を媒介する恐れのある種もいるため家畜にシラミが発生した場合は専門家、獣医師に相談し指導を受けるべきです。