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【しらみ】しつこい集団発生の裏に抵抗性シラミの影あり!?

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「こんなに子供たちからシラミが見つかるのは初めて」

 これまでに経験したことのないレベルのアタマジラミの集団発生。流行地域の幼稚園や保育園の関係者の方の中では話題になったこともあると思います。

 海外では繰り返されるシラミの大量発生が問題になってきましたが、日本でも水面下で始まってしまっていると考えられます。海外のシラミ大流行の背景には薬剤抵抗性シラミの存在があります。

 これまで日本でシラミがあまり目立たなかったのは、日本の入浴習慣がシラミの流行を抑制しているという説もありますが、欧米に比べ抵抗性シラミの割合が少なかったことが大きな理由だったと言えます。

 日本のシラミ対策は長年にわたりシラミ駆除剤であり、日本で唯一のシラミ駆除剤であるスミスリンは大いに貢献してきました。近年、アタマジラミが日本でも大規模に流行するようになりましたが、原因は抵抗性にあると考えます。

 近年の抵抗性シラミの流行状況に関する新しいデータは何年も公表されていませんが、今後明らかにされれば抵抗性シラミに対する常識は覆されます。私の体感している通りなら、多くの方が考えているよりも遥かに多くの抵抗性シラミが日本国内に流行しています。

 多くの方が今もスミスリンシャンプーのみでシラミを退治していますが、薬の効かないシラミを知っている立場からは到底おすすめできない方法です。

 大量発生にお困りの地域では初動でスミスリン単体による駆除を選択されていないでしょうか。抵抗性シラミはスミスリンを使用した後も生き残り、人に感染を広めるリスクがあります。必ず梳き櫛による直接の除去を併せて推奨しないといけません。

 日本でも徐々に駆除剤から梳き櫛へと駆除方法がシフトしつつありますが、そろそろ本格的に意識を変えなければいけない時期に入りました。日本の抵抗性シラミのリスクは過小評価されています。このままスミスリンを使用し続けても抵抗力をもつシラミが減ることは決してありません。

 欧米にはスミスリンよりも強力なシラミ駆除剤が使用できる地域があります。しかし強力な駆除剤をもってしてもシラミの流行を食い止められないのが現実です。プロのシラミ駆除サービスも活躍している地域もありますが、彼らが最終的に選択した手段も梳き櫛によるコーミングなのです。

 

砂場から!?子供のアタマジラミ

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お砂場からアタマジラミがうつった!?

「砂場でシラミが広まる!?」

「アタマジラミが流行ってるから子供を砂場で遊ばせるのはやめよう。」

 幼稚園や保育園に通う小さな子供を持つママさんの中にはこんな誤解をお持ちの方がいます。

 実際のアタマジラミは公園のお砂場や芝生から人に乗り移ったりはしない生き物です。アタマジラミは人間の頭に住みついている寄生虫です。人の頭の髪の毛から髪の毛へ直接、または間接的に乗り移って感染が拡大します。

砂場の砂や土からシラミが広まっているのではありません。

シラミ(アタマジラミ)は人から離れて暮らせない

 人から離れたシラミがどれくらい生きていられるか知っていますか?子供の間で流行しているアタマジラミは、人から離れるとわずか数時間から長くても3日間で死んでしまいます。

 シラミの食料は人間の血液です。公園の砂場や芝生に落ちたシラミは食事をすることができないので飢え死にしてしまうのです。アタマジラミが砂場や森、草原に生息していることはありません。

 またシラミには羽がありません。地面を飛び跳ねる脚もありません。子供の頭から落ちたシラミが再び誰かの髪の毛に戻るのはとても大変なことです。シラミが流行した時に私たちが気をつけなけらばいけないのはシラミが髪の毛から髪の毛へ乗り移ってくるところです。

 シラミは人間の髪の毛にしがみついたり綱渡りすることが得意な虫です。シラミにかからないためには頭と頭をくっつけないことが第一の予防になります。また頭髪に直接ふれる物を使いまわさない工夫も必要になります。

アタマジラミが感染する可能性のある行動

 シラミのいる人の頭と頭をくっつける。

 髪の毛と髪の毛を接触させる。

 フードのついた衣服や帽子の貸し借りをする。

 クシやヘアブラシを共用する。

 同じ布団や枕をつかってお昼寝をする。

 プールや銭湯のロッカーや脱衣カゴを共用する。

などがあげられます。

アタマジラミの誤解「不潔な途上国にいて衛生的な先進国には流行しない?」

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 人間につくシラミには3種類あります。頭髪につくアタマジラミ、陰毛および体毛につくケジラミ、下着など衣類につくコロモジラミです。不潔なイメージを持たれやすいアタマジラミですが、3種類のシラミのうちで最も不潔とは関係の薄い寄生虫です。

 アタマジラミは誤解されています。日本では戦後の混乱期にシラミが大流行したことから、現代でも貧困や不潔のイメージと結び付けて考えられてしまうことがあります。

  シラミを正しく理解し、流行を食い止めるためにはこの誤解を何とかしなくてはいけません。シラミの集団発生を防止するには情報共有が不可欠だからです。シラミと言うとなんとなく人に相談するのは恥かしいと感じることがあると思いますが、ありふれた昆虫だということを知り意識を変える必要があります。

 現代のアタマジラミは裕福な国にも貧しい国にも経済状態にかかわりなく流行しています。最近ではむしろ先進国の方が頻繁に話題にされることが多くなったと思います。

 シラミのいない国はありません。アメリカ、中国、日本、ドイツ、フランス、イギリス、ブラジル、ロシア、イタリア、インド、カナダ、オーストラリア、スペイン、韓国、メキシコ、インドネシア、オランダ、トルコ、サウジアラビア、スイス、スウェーデン…今の所、人間の行き来するところにはどこの国にも多かれ少なかれアタマジラミがいます。

 アタマジラミはキレイな髪と清潔な環境が大好きな生き物です。汚染された頭髪や整髪料や化学物質がべったりの髪を好みません。世界中で小さな子供たちの頭髪がシラミに好まれてしまう理由の一つはこういうところにもあるかもしれません。

 シラミが不潔という誤解の他にもう一つ誤った認識があります。シラミが怖いという誤解です。アタマジラミは細菌やウイルスを運ぶことはありません。

 病原体を運ぶ恐れがあるのはコロモジラミという別のシラミです。日常生活で普通にお風呂に入り、衣類を着替え、洗濯していれば寄生される恐れのないシラミです。アタマジラミは様々な病気を運ぶ蚊よりも安全かもしれません。昨年はデング熱が話題になりましたね。