アタマジラミの誤解「不潔な途上国にいて衛生的な先進国には流行しない?」

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 人間につくシラミには3種類あります。頭髪につくアタマジラミ、陰毛および体毛につくケジラミ、下着など衣類につくコロモジラミです。不潔なイメージを持たれやすいアタマジラミですが、3種類のシラミのうちで最も不潔とは関係の薄い寄生虫です。

 アタマジラミは誤解されています。日本では戦後の混乱期にシラミが大流行したことから、現代でも貧困や不潔のイメージと結び付けて考えられてしまうことがあります。

  シラミを正しく理解し、流行を食い止めるためにはこの誤解を何とかしなくてはいけません。シラミの集団発生を防止するには情報共有が不可欠だからです。シラミと言うとなんとなく人に相談するのは恥かしいと感じることがあると思いますが、ありふれた昆虫だということを知り意識を変える必要があります。

 現代のアタマジラミは裕福な国にも貧しい国にも経済状態にかかわりなく流行しています。最近ではむしろ先進国の方が頻繁に話題にされることが多くなったと思います。

 シラミのいない国はありません。アメリカ、中国、日本、ドイツ、フランス、イギリス、ブラジル、ロシア、イタリア、インド、カナダ、オーストラリア、スペイン、韓国、メキシコ、インドネシア、オランダ、トルコ、サウジアラビア、スイス、スウェーデン…今の所、人間の行き来するところにはどこの国にも多かれ少なかれアタマジラミがいます。

 アタマジラミはキレイな髪と清潔な環境が大好きな生き物です。汚染された頭髪や整髪料や化学物質がべったりの髪を好みません。世界中で小さな子供たちの頭髪がシラミに好まれてしまう理由の一つはこういうところにもあるかもしれません。

 シラミが不潔という誤解の他にもう一つ誤った認識があります。シラミが怖いという誤解です。アタマジラミは細菌やウイルスを運ぶことはありません。

 病原体を運ぶ恐れがあるのはコロモジラミという別のシラミです。日常生活で普通にお風呂に入り、衣類を着替え、洗濯していれば寄生される恐れのないシラミです。アタマジラミは様々な病気を運ぶ蚊よりも安全かもしれません。昨年はデング熱が話題になりましたね。